2008年12月16日火曜日

さまよう刃

08e259b6.jpg著:東野圭吾

文庫:角川文庫

��あらすじ~
長峰の一人娘・絵摩の死体が荒川から発見された。花火大会の帰りに、未成年の少年グループによって蹂躪された末の遺棄だった。謎の密告電話によって犯人を知った長峰は、突き動かされるように娘の復讐に乗り出した。犯人の一人を殺害し、さらに逃走する父親を、警察とマスコミが追う。正義とは何か。誰が犯人を裁くのか。世論を巻き込み、事件は予想外の結末を迎える―。重く哀しいテーマに挑んだ、心を揺さぶる傑作長編。


娘をさんざん慰み者にして殺した犯人。しかしその犯人は未成年だった。現在の日本では未成年が犯罪を犯しても更正させるためなどの理由から数年で戻ってきてしまう。それが本当に正義なのか、正しいことだというのか、というテーマについて描いた作品。犯人への復讐を果たそうとする被害者の父親とそれを追う警察、それらを取り巻く人々の行動によって動いていく事件の顛末を通して、本当の正義とは、と問いかけています。
派手さは無いながらも考えさせられる作品ですね。日本の方では仇討ちは禁じられているが犯人が更正の見込みもないクズだった場合、泣き寝入りするしかないのか?法律とは何のための物なのか。いい作品でした。相変わらずこの人は書き方がうまいと思います。このようなテーマを扱っている割りに重くなりすぎても居ないですから読みやすいですし。結末は結構評価が分かれるようですがこれ以上意外な方向性で攻めると現実性が無くなるような気がするのでこれでよかったんじゃないかと。まとまらなくなるんじゃ?って思うし。
ただ、途中長峰の行動に揺れる警察内の感じをもっと前面に押し出してもよかったと思うんですよね。さらっとしすぎててなんかなーという感じ。つうわけで☆4で。

0 件のコメント:

コメントを投稿